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Works

樹海になりたくて  -for a vocalist and a percussionist- 
We crave to be with the sea of trees (AOKIGAHARA JYUKAI)
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“彼らは樹海に憧れている。

 

それはおそらく、樹海の生と死の境目がマーブル状に入り混じった死生観をもった世界への憧れから。

 

死が隔離されて考えられる現代日本社会では死ぬことができない(逆説的に、生きることもできない)と思っている。

 

せめてもの救いとして、彼らは、樹海の一部を持ち帰り、奏でることで樹海と繋がり、それを音楽的に発展させながら営むことで、自らもまた樹海の一部になれることを切望するのだ。

 

人間のイマジネーションというフィルターを介した彼らの思い込みの樹海がそこに立ち現れる。そのイマジネーションの中で彼らは樹海になることができる。

 

また、それは、樹海にそびえ立つ木が、日光に当たることを切望し、結果的には背が伸びすぎて 風に煽られただけでしなり、遂には倒れてしまうように、生きることを希求する際の切実さを含んだ盲目さとも通じてしまうのである。

 *樹海とは、正式には青木ヶ原樹海という富士山麓の溶岩上にある広大な原生林である。”  2021/7/7 初演(公開作曲レッスン)時に配布した資料より

 

“この作品は、声奏者である渡邉翔太が富士山の樹海の入り口の住民であること、またそれをきっかけに今年の3月30日に渡邉翔太の友人で打楽器奏者である茶木修平とともに3人で樹海散策を行ったところから制作が始まっています。

二人には作品完成前から、奏法のレクチャーはもちろん、即興や簡単な指示による演奏をしてもらってその演奏感覚についてヒアリングさせてもらったり、記譜についてコメントをもらったり、再び樹海へ素材集めに一緒に出掛けてくれたりと、とても多くの作業に協力していただきました。彼らの協力なくしてこの作品はありません。作品に深く関わってくれたこの二人による繊細な音の表現をお楽しみください。

 

※この作品は、アンプラグド、ひどく小さな音、完全な暗闇、奏者間の音によるコミュニケーション、演者が空気を読む音楽 の要素を含みます。

その繊細さから、無神経な雑音が鳴らされると作品が死んでしまいます。ぜひ体験される際は、慎重な姿勢でご鑑賞ください。”    2021/7/7 初演(公開作曲レッスン)時のプログラム・ノートより


制作過程・上演動画

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